インタビュー
海外経験による自己成長
後藤秀彦氏
2021年8月3日 978ページビュー 6カ月以上 アメリカ合衆国 カンボジア その他 大学【留学体験の概要】
①留学した時期・期間:2016年9月~2017年3月・7か月間
留学先(国、学校名):アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス
南カリフォルニア大学
学習内容:語学留学
②海外経験の時期・期間:大1夏・大2夏・大3春夏・大4夏(各2週間程度)
留学先(国・学校名):カンボジア
内容:IUYL図書館設立プロジェクト
(きっかけはAPU主催のボランティアプログラム)
【インタビュー相手にとっての留学意義】
①「留学しようと考えたきっかけ、なぜ南カリフォルニア大学に?」
元々留学には興味があり、加えて留学が大学の学部の卒業要件で必須であった。その中でも南カリフォルニア大学を選んだのは大きく3つの目的があった。1つ目は語学学習。英語を中心に学べる学校であり、自身の語学力向上を目指せるカリキュラム構成だった。2つ目がロサンゼルスという地域特性。日本以上に多くの人種、文化か混合しており、その現場に入り自分の価値観・視野を広げたかった。3つ目が日本との宗教的価値観の違いを理解。日本とアメリカにおける同一宗教におけるモチベーションの在り方など、日本との差異について理解を深めたかった。このような目的から南カリフォルニア大学に留学をしようと考えた。
「留学先での生活は?」
中国・モロッコ・アラブ出身の仲間と4人ワンルーム、2人ずつの個室がある寮生活。家賃は15万円とかなり高く、外食も簡単には出来ず、4分の1は学食、2分の1は自炊という生活。学校だけでなく、日々の生活においても多様な価値観・文化と触れられる環境であった。
「共同生活における苦労・エピソードは?」
日本人は個人差あれど細かいところまで意識することが多いが、他の国の人はアバウトなことが多い。このようなカルチャーの違いに苦労した。体験談としては、シェアスペースである冷蔵庫の中に自分用としてとっておいたものも食べられてしまうことよくあった。また食器用洗剤が切れていた際に買いに行くのではなく、シャンプーを代用するなど、驚くようなこともしばしばあった。
「学校生活における苦労したこと、そこから得られたこと」
ともに学ぶ仲間がすでに大学を卒業している人が大半を占めており、自分と比較するとみんな頭が良い。ステータスが違えど評価軸は一緒であり結果を出すということに苦労した。最初はついていくことすら困難であったが、何とか追いついていく努力→焦点・ポイントを絞り徹底的に学習する意識で何とか追いつくことができた。この〈ステータスが違えど評価軸は一緒〉というのは社会人になると当たり前。しかしながらその中でも結果を出さなければならない。だからこそ留学での経験は自分を大きく成長させられたと実感した。
「語学留学前にすべきことは?」
やりたいことを多く持っていくようにする。いざ現場に入ると憧れがなくなることもあり、行く前のほうがやりたいことも多く書くことができるはず。行くだけにならないように〈やりたいことノート〉を作成。次になんといっても語学勉強。コミュニケーション手段はやはり英語。ある程度できていないとコミュニケーションが取れない。いかにして事前準備ができるかがカギ。
「語学学習のポイントは?」
語学力向上には、listening聞き取る力・reading読みとる力・writing書く力・speaking話す力・vocabulary語彙力の5つの要素が重要。その中でも効率よく高めていくには何度も繰り返して声に出して読む〈音読〉が大切。声に出して読むことでreading・speaking。読んでいる自分の声を聴くことでlistening。繰り返し読んで文の形を掴むことでwriting。読めない、わからない部分を調べることでvocabulary向上と、重要な力を全部高めることができる。
②「カンボジアに図書館を立てようと考えたきっかけは?」
APUのボランティアプログラムにてカンボジアに訪問、ボランティアティーチャーとして授業する機会があった。学びたいと思う子供たちが多くいたが、教師不足など奥地であればあるほど環境が整っていない現状を目の当たりにし、自分にできることはないかと考えたことがきっかけ。
「図書館設立プロジェクトにあたり苦労したこと 」
生活面含め苦労したこととしては大きく2つある。一つ目が交通アクセスの悪さ。電車やバスなどの交通インフラの欠如が目立ち、加えて特有のスコールなども多いため、移動がとにかく不便であった。2つ目は日本スタンダードとのGAP。トイレやシャワーで使用する水が同じであるように特に水回りにおいて実感することが多かった。このように日本における日常生活のあたりまえが通用しない。
「最も感動した出来事は何ですか?」
図書館が完成し、子供たちが笑顔で使ってくれたこと。図書館設立までIUYLの団体設立、クラウドファンディングによる資金集めなどすべて1からの計画で、すべてがドラマのような出来事。時には罵詈雑言を浴びせられ自分含め仲間の心を折られる経験もあった。そのような中でも諦めず一つ一つ乗り越えた経験は一生の宝物であり、今の自分自身の自信となっている。
インタビュー実施日:2020/12/27
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
学生のうちに何度も挑戦、そして失敗、そこから立ち直る努力をする経験をしてほしい。
挑戦という言葉はよく聴くが、後藤さんは5回やってみて3回失敗するようなことでないと挑戦とは言えないとも話していた。簡単に達成できることは自分の成長も少ししか得られないと実感した。失敗を恐れてしまうこともわかるが、それ以上の勇気を自分の中で持てるようにしていきたいと感じた。
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと、今後行いたいこと」
上記にもあるように、何事においても失敗を恐れず挑戦していきたい。後藤さんにとって海外経験というのが大きな挑戦であったが、私自身は部活動の状況としても留学が正直難しい現状である。留学が難しくても、自分から異文化理解を深めることは日本においてもできる。このように自分自身の成長に向けて、落ち込むことがあろうとも挑戦していける自分でありたいと感じた。
インタビューアー:菅原巧輝(国際学部 国際地域学科 1学年)